*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



花火が終わると手をつないで駐車場に向かって、久々に和人の車に乗った。


運転中でもずっと右手はつないだまま……。


帰りたくないな。


一緒にいたい。


和人はまた、黙ったまま。


こういう時に相手の気持ちが読める能力があればいいのにな。


「なんか夢みたいで、今日は寝るのが怖いな……」

「え? 何で?」

「リョウくんと付き合ってるって思い込んでたし、今日ふられるの覚悟してたから。サクラを助手席に乗せてるのが信じられない」


何を言いだすかと思ったら……。本当に今日まで苦しんだのは私だけじゃなかったんだね。


「ごめんね。今日、リョウくんのこときちんとしてから、和人に電話するつもりだったんだ」

「……番号、覚えてるの?」

「大好きな11ケタだよ? 自分の新しい番号より和人の番号のほうがスラスラ言えるよ」


笑いながら言う私に、和人も優しく笑ってくれた。




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