*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「これ、リョウくんがサクラに渡してって」
始業式が終わって教室に戻ると、真央から手渡された一枚の紙。
「ムースのレシピだぁ♪ お礼言ってて! メールしとくけど」
早速、土曜日に作って日曜に和人に食べさせてあげよ。一人で上手に作れるか分からないけど頑張ろう。
「和人さんとヨリ戻せてよかったね」
「うん! そういえば真央は渕脇さんと、どうなってるの?」
自分のゴタゴタで夏休みは、すっかり真央の恋愛話から遠退いてたよ。
「あいつ、彼女がいたんだよ」
「はぁ? 最悪!! あんな思わせ振りな態度とっておいて?」
「本当だよ。危うく遊ばれるとこだった」
あんなに誠実そうな顔しといて男って怖い……。真央が遊ばれるなくてよかった。
「……彼女がいることを教えてくれたのはリョウくんなんだ」
「そうなんだ。リョウくんに感謝だね!」
「うん。でさ、私……サクラに話してないことがあるんだ」
――へ?
真央が急にかしこまるから思わず姿勢を正す私。