*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



「ヴッ……気持ち悪い……」



約三時間の上映。半分以上が戦闘シーンで銃弾と血が飛びかう巨大スクリーン。



死の恐怖と仲間が次々に死んでいく悲劇の映像ばかりで完璧に具合が悪くなった。



「大丈夫? とりあえずカラオケボックスで休む?」


「うん……」



二人に抱えられて予約していたカラオケボックスに入った。



椅子に横になる私に萌ちゃんはウーロン茶を注文してくれた。



「サクラ、飲んで。彼氏に迎えに来てもらえば?」


「……でも」


「私たちはいいから」




……和人に迎えに来てもらって家まで送ってもらったほうが私も楽といえば楽だけど。



バックから携帯を取り出して和人に電話をかける。



『はい』


「和人……私、戦争映画見たら具合悪くなっちゃって……。ごめんだけど迎え来てもらえないかな」



グラスを持ってウーロン茶を口に含んだ瞬間、和人から返ってきた返事。




『いいよ。でも、ここには泊めないよ……サクラんちに送るから』




――は?


最初からそのつもりだよ?なんでそんな言い方するの?






< 338 / 472 >

この作品をシェア

pagetop