*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



一瞬のことで何がなんだか分からなかった。


気が付いたら玄関先の壁に押し付けられて、私の両腕は和人に握られたまま……




和人を見上げると冷たい目で私を見てくるからドキドキと鼓動が早くなる。




「一度家に帰るなんて珍しいこと言うと思ったら……タバコと男の香水の香りを消すため?」


「え……」



うそっ……メンズの香水の匂いまでついてる?



「聞いて。私がカラオケボックスで寝てる間に男の子たちもまざったらしくて……それで……」


「それって友達?」


「違う……」



うまく説明できない。本当のことを言ってるだけなのに和人の不信感を増すことばかり。




一度家に帰るって言ったのも和人の言うとおり、タバコの匂いを消して男の子の存在を隠すためだったし……




言い訳できない。






< 344 / 472 >

この作品をシェア

pagetop