*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「和人! 何してるの?」
後ろから急に声をかけてきた玄関から顔を出す女の人。
あ……和人のお母さん?
「もしかして電話で話してたサクラちゃん!? 寒いでしょ! 早く家に……」
「すみませ……こんな格好で……しかも手ぶらだし……」
もう……
きちんと挨拶しなきゃいけないのに涙を止められなくて……
声にならなかった。
和人が事情を説明して、後日改めて来るって言ったけど無理やり家にあげられて、タオルで私の髪を拭いてくれた。
「寒くない?」
「はい……」
「辛いでしょ。今日は我慢しないでたくさん泣きなさい」
温かなミルクティーの湯気と溢れる涙でぼやけた視界。
和人のお母さんは声を出して泣く私の頭をずっと優しく撫でてくれた。