*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



似てる……


あの日、雪の中で震えていたスノーにそっくり……



だけど……



「サクラはどうしたい?」



和人は私の意見を聞いてきた。私は黙ってしまった。



「本音を言っていいんだよ。きっと俺もサクラと同じ気持ちだから……」




和人の言葉を聞いて子猫をソッとカゴに戻した。




「ごめんなさい……私はもう、あんな思いをするくらいなら猫は飼えないです」



いつかは必ずくるお別れ。
分かっているのに飼えないよ。



「同じ黒猫に……同じ名前をつけてもスノーは世界に1人だから……」



今、この子を引き取っても私はきっとスノーと同じように可愛がれない。



きっと愛着がわかないように壁をつくっちゃう。距離を置いちゃう。




それならもう……






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