*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
私?だけど私はおばさんの顔には見覚えなくて……苦笑いしながら首をかしげた。
「ああ! スノーちゃんのご主人!」
「え……」
なんでスノーのこと……
「何度かうちの猫カフェに来てくれたでしょ」
「あ! あの海沿いのお店の?」
初めて和人とスノーと三人でドライブして
将来の夢を誓い合ったカフェの店員さんだ。
「久しぶりね! スノーちゃんは元気?」
「あ……スノーは……」
言葉を濁す私に和人が後ろから私の肩を抱いて口を開いた。
「一年前に病気で亡くなったんです」
「あらぁ……残念。本当に可愛かったから私ももう一度会いたかったわ」
おばさんは悲しそうな顔をしてスノーのことを偲んでくれた。
「覚えてくれていたんですね。嬉しいな」
「黒猫なのに名前がスノーちゃんって言うから印象が強くて。雪の日に出会ったからって聞いて……あ! そうだ!」
おばさんはそう言ってバックを探り出して小さな箱を取り出した。