*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「いつも車で通勤してるの? あの日は歩いてたから、勝手に電車通勤なのかと思ってた」
「あんな大雪の日にチェーンなしで車は出せないよ。タイヤもスタッドレスじゃないし」
あらら……てことは……。
「雪が降らなきゃ、私たち出会ってなかったんだね! 雪に感謝しなくちゃ」
雪なんて寒いし、靴が濡れちゃうから大嫌いだったけど、和人さんとスノーに会えたから、好きになっちゃったよ。
「何それ? 告白してくれてんの?」
「へ?」
「俺のこと、好きってこと?」
わ、わわわ……。何気なく言った言葉が告白として捉えられちゃった? どうしよう。口を開けたまま、次の言葉が出せないままでいると、和人さんはプッと吹き出す。
「出会えてよかった。イコール“好き”は単純すぎるか」
「……あの」
「冗談だよ。からかっただけ」
イジワルそうに和人さんは笑って、CDの再生ボタンを押して音楽をかけた。
私の反応が面白くて、からかわれただけ……? 今、『そうだよ』って言ったら、どんな顔した?
私、本当に和人さんのこと好きなんだよ……?