*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



「いつも車で通勤してるの? あの日は歩いてたから、勝手に電車通勤なのかと思ってた」

「あんな大雪の日にチェーンなしで車は出せないよ。タイヤもスタッドレスじゃないし」


あらら……てことは……。


「雪が降らなきゃ、私たち出会ってなかったんだね! 雪に感謝しなくちゃ」


雪なんて寒いし、靴が濡れちゃうから大嫌いだったけど、和人さんとスノーに会えたから、好きになっちゃったよ。


「何それ? 告白してくれてんの?」

「へ?」

「俺のこと、好きってこと?」


わ、わわわ……。何気なく言った言葉が告白として捉えられちゃった? どうしよう。口を開けたまま、次の言葉が出せないままでいると、和人さんはプッと吹き出す。


「出会えてよかった。イコール“好き”は単純すぎるか」

「……あの」

「冗談だよ。からかっただけ」


イジワルそうに和人さんは笑って、CDの再生ボタンを押して音楽をかけた。


私の反応が面白くて、からかわれただけ……? 今、『そうだよ』って言ったら、どんな顔した?


私、本当に和人さんのこと好きなんだよ……?



< 9 / 472 >

この作品をシェア

pagetop