さくらんぼ

一言一言を区切る様に

ゆっくりと今野さんが言った。


「嘘付いて何しようとした?あ?」


いつもの無邪気な隼人の姿は

そこには無くて、

知らない男の人みたいに怖かった。


「ごめんなさい!あたし羨ましくて・・」

「羨ましかったらしていいのかよ!!」


隼人の鋭い声が

狭いロッカーいっぱいに響き渡った。
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