さくらんぼ


今野さんはまた続けて言った。


「中学校の時からずっとずっと、

あたしの方が誰よりも

隼人の事好きだったのに!!

だからあたし、

いっぱい勉強して

同じ高校まで入ってさ・・

それなのに、」


それなのに、

その言葉の続きはきっと

あたしに向けられた物だったのだろう。


今野さんは涙を流しながら

これ以上の声が出ないくらいに

叫んでいた。―

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