月の心~それぞれの心
そんなある時
またお月さまに話しかける
生き物が現れました

「ねぇ、お月さま」

お月さまはびっくりしました

自分に語りかけてくれる
生き物が現れる事なんて
二度とないと
思っていたから

「ねぇ、お月さま」

彼は首を精一杯伸ばして
もう一度お月さまに
声をかけました

『なぁに?キリンさん』

その言葉に
キリンは微笑みました

「よかった、僕の声届いてたんだ」

『貴方が長い首を伸ばしてくれているから、よく聞こえるよ』

お月さまも笑顔で答えます

「僕ね、お月さまとお話がしたいんだ」


こうしてお月さまに
再び"友達"ができました


キリンの長い首は
お月さまと話をするのに
丁度よく
色々な事を語り合いました

お月さまは海に浮かぶ
小さな子供達の事を

キリンは美味しい草や
木の葉っぱの事を

数えきれないくらい
たくさん語り合いました
幾月…幾年も…

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