嫌いなアイツと同棲生活!?
「でも別にいいもんね。来てくれる子がいるだけマシだもんね。」



女口調で自分で自分を慰める山下さん。
なんか見て痛々しいわ。


「山下さんはなんで精神科医になろうと思ったんですか??」


アタシのイメージ的に院長になるんなら何にもしなくていいと思うんだけど…


「ぁー…それね。俺最初何を専門にしようか迷ってたんだ。」

…専門??


「実際親父がやってる病院って総合病院でいろんな科があるわけよ。
最終的に親父が降りて俺が院長になることは決まってて院長になったら診察とかはほとんど出来なくなってそのかわりいろんな会議とかばっかの仕事が待ってるわけだなんだけどね。
だから俺の実際の医者の時間はすごく短いんだけど、まぁ医者になるからにはかっこいい科につきたいじゃん??」


かっこいい…科??


「例えば…肛門科とかよりは脳神経外科とかの方がかっこいいし、目立つじゃん??」



ぁあ、確かにね。そういうほうが山下さんっぽいし?


「だからそういうのを目指してたんだよ。最初はね。
だけど何回も親父の病院に足を運んでるうちに気付いたんだ。


「気付いたって…??」

山下さんの目が…今、一種柔らかくなった…ような気が…??しなくもなくもないけど…


「病院に来る患者さんてね、皆心がちょっと弱くなっちゃってるんだ。」



心が…弱く…??
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