イケナイ【短編】
わかった。

それで私の名前の前で止まったんだ…



「あっ、忘れてた!」

私のほうを向いてたみんなは一気に西松先生の方を向いた。



「家庭訪問の紙を渡しておくよ。」


そう言って一人ひとりにプリントを配っていく先生。



「はい、崎田…」


ニコッとしてプリントを渡してきた先生。


私は家に帰るとお母さんに言ったんだ。


「私のクラスの先生、西松裕太先生だって!」


一瞬したお母さんの顔は今でも覚えている。


「それでね。家庭訪問があるんだ。」

「家庭訪問なんてあるの…?」

プリントを見てお母さんは一日目の一番初めの時間に○をつけた。

これが始めの悲劇なんて私は知らなかった。




< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop