君の音
第一章
気になる彼
「おい、トオル!」
「…なんだよタツヤ?」
「なんだ?じゃねーよ!
お前、あの話し蹴ったんだって?!」
「…あぁ、もうバレた?」
「ハァ…もったいねぇ!
イイ話しだったろ?貰える額も良かったし 今、乗ってきてるグループじゃねぇか」
「まぁ、確かにな」
「俺はさぁ…ここで働いてくれるのは助かるし、出来ればずっといて欲しいぜ?でもさ、お前の腕を裏方で終わらすのがイヤなんだよ!」
「はい、はい。」
「おまっ…、」
「もう止めろよー。
確かにイイ話しだったけどさぁ…うーん、違うんだよなぁ」
「なにがだよ?」
「俺、メンバーに聞いたんだよ。どんな音を作っていきたいのか…
そしたら答えられねーの。うっすらとは気づいてたんだけど、あいつらの曲ゴーストだったんだよ」
「マジ?!」
「あぁ、詞も曲もな。
下手したらまともに音をだせる奴はいねぇな。売り出す為に見た目だけで寄せ集めた奴らだった…そこでギター引けって言われてもなぁ…」
「そうだったのか…」
「ま、そういう事!
じゃあ、今日はもう帰るからな」
「あぁ、また明日な!」