君の音
始まり
「ミズキちゃんお待たせ…ってオイ!トオル!」
「なんだよ」
「なんでミズキちゃん立ってんだよ!」
「いやぁ、それがさ…
作業着のままだろ?
椅子が汚れると思ってるのか座らないんだよ」
「ミズキちゃん 気に しないで」
(………)
「「うーん…」」
「おい、確かトオル着替えなかった?」
「お!そうか!」
俺は自分の作業部屋からセーターとデニムを掴んで急いで会議スペースに戻った
「これ! 着て!」
(…!?)
「やっぱ、 イヤだよな」
「タツヤのせいだぞ!
イヤに決まってんだろ!」
「なんだよ!トオルだって賛成したから取ってきたんだろ!」
「「ギャー!ギャー!」」
すると彼女は手を伸ばして(かしてくれるの?)と唇を動かし首を傾げた
「「うん!」」
「…って、なんでタツヤが返事すんだよ!」
「なんだよ!」
「「ギャー!ギャー!」」
「あっ…ゴメンな」
「…ゴメン。」
彼女はまた肩を震わせながら笑った