君の音


「あっ、いた!」


しばらく虹が出来上がるのを見ていたが

…っていうか寒いだろうな

彼も作業着を着ているが
さすがに今日は寒そうだ。

キョロキョロと見渡すと自販機があった。


「そうだ…」


温かいコーヒーを2本買い彼の方に向かい後ろから声をかけた



「あのぉー」


(………)



ん?聞こえなかったのか



「なぁ、」



(………)





「うーん…?」



集中していて聞こえないのか?無視されてるのか?



俺は思い切って覗きこんでみた




ガシャン!と音を立て彼の手から道具が落ちた


驚いたと言わんばかりの目にあわててあやまった。




「うわー!ゴメン!」



彼はブンブンと首を振り
足元の道具を拾った。




その動作の流れが可愛くて少し笑った。



可愛い…?
俺は何考えてんだ…




彼がじっと俺を見た


「あっ、コレ!」


缶コーヒーを差し出すと
彼はポカンとしていた



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