君の音


「さてと…
機材の整備でもするか」







しばらく夢中で整備していたらかなり時間がたっていた。




「もう23時か…」







彼女は今も一生懸命頑張ってるかな…?



休憩してるかな?





そんな事をぼんやり考えていたら、ふとメロディが頭に浮かんだ。





俺はそばにあったギターを手に取り指を動かした















なぜだろう…




前はあんなに嫌がっていた指はギターにしっくりと馴染んだ。


まるで弾きたがっていたように…










俺…弾きたかったんだ






指先が


そう言っている気がした














< 38 / 49 >

この作品をシェア

pagetop