君の音


「あぁ、そうだよな…」


いきなり知らない奴がコーヒー差し出したら俺もポカンてなるな…


「えーっと…いつもこの道通るんだよ。んで、いつもこの虹見てて。俺はいつも見てたから親近感あったけど、そっちは突然で驚くよなー。寒そうだからあげようと思ってさ…」






すると彼はニッコリとした目で受け取るとペコっとお辞儀してコーヒーを両手で包みこんだ。




…彼は口元と頭に汚れない様にタオルを巻いているから目しか見えないけど、
嬉しそうだった



「なぁ、すげーな!」




すると彼は「何?」って感じで首をかしげた


「虹。 すげーな!
俺、こんな綺麗な虹見たことない。」



すると彼は少し照れた様に目を伏せた。




やっぱ、可愛いな…




「なぁ、お兄さんはいくつぐらい?
俺と同じぐらいに見えるけど、それにしてはちっこいしなぁ?」




すると彼は一瞬 目を見開き、肩を揺らして笑いをこらえてる様だった。





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