君の音
そっと髪を撫で
俺は手を動かした
「聞こえた?」
(え?!…)
「ミズキちゃん聞こえた?」
(どうして手話…)
「ちゃんとあってる?
伝わってる?」
泣きながら俺の指先をギュッと握り
コクコクと頷く彼女の髪をもう一度撫でた。
「泣かないで。
手話は頑張って覚えた。」
(なんで?
なんでそんなに優しいの…
トオルさん、ダメだよ?
優しすぎて 私みたいな子でも勘違いしちゃうじゃない…)
「私みたいな子…?」
(そう…私みたいな子。)