君の音


「あー寒かった!
トオル、俺コーヒー入れてくるからミズキちゃん会議スペースに連れて行ってくれ」




「おー。」



俺はスタジオの中をキョロキョロ見学しているミズキちゃんに声をかけた



あれ?…



まただ…






「ミズキちゃん?」




ポンと肩を叩くと、また彼女は凄く驚いた顔をした



「あ…ゴメン!会議スペース行こ」



すると彼女はジッと俺を見て




顔の前に人差し指を立てた


(もういっかい)



声を出さずに彼女の唇がそう動いた






もしかして…






「か い ぎ
ス ペ ー ス い こ」




彼女は頷いた




少し悲しそうに








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