図書物語




やっぱり知りたい。





彼を知りたい。





もし、気味悪がられていたとしても、もう近づかないなんて無理かもしれない。




名前を知ったら、胸の奥から溢れるように欲が出た。





彼の名をまた呼びたい。



何回も、何度も。





「呉夜さん…、今度来たとき、おすすめの本とか教えてくれませんか…?」




そんな、会う口実のためだけの、私のお願い。





でも、




彼は、






笑って頷いた。





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