図書物語




ああ、そっか。




呉夜さんがなんだかいつもと違うからだ。






普段の彼は、あまり感情の起伏をみせない。






やわらかな笑顔で、ふわりと笑って対応し




大人な余裕で、何事もさらりとこなしてゆく






呉夜さんといるだけで、私は感情を乱されて冷静じゃいられなくなる。





でも、彼はいつも冷静で、私はそのたび悲しくなる。





私はきっと、ずっと彼に、恋愛対象としてみられることはないんだなって、悲しくなる。






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