図書物語





「…なんか、はずい」





呉夜さんがそう言って、私から視線を外した。



そして、がたりと椅子を少し動かして私に背を向け、





「もう暗いから、はやく帰んなよ」




と言った。






もしや、


これは照れ隠し、みたいなもの、なのだろうか?





そう、だったら、嬉しい。




すごく、嬉しい。






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