この想いがキミに届きますように
「はーい…」


女の声が聞こえ、足音が玄関に向かって来る。

俺は、汗ばんだ右手を強く握りしめた。



ガチャッ…。


ゆっくりと開かれた扉。

扉を開けたのは、やはり母親だった…。

心なしか少し背が縮み、痩せた様に見える。


俺の姿を見た母親の表情がみるみる固まった…。



「久しぶり…」


俺の口から自然と出た言葉だった…。
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