ほろ苦いポップコーン~『先輩のボタン』続編~
「お前が歩くの遅いから、こんなに並んでるだろ!」
先輩は、私のリクエストに応えて・・・赤いパーカーを着てきてくれた。
今日はクリスマスイヴ。
初めての、ディズニーランド。
先輩は、キャラメルポップコーン屋さんの前で、寒そうにパーカーのポケットに手を入れた。
「寒い・・・手、貸して」
私の手を・・・
ポケットの中に・・・入れてくれた。
「お前、まだ照れてんの?エッチまでした仲なのに」
「もう!!!先輩のエッチ!」
30分並んで買ったポップコーンを食べる幸せ。
ベンチに座った私と先輩は、背後にそびえ立つツリーを見ようと振り返った。
「あと1時間で点灯だな」
「一緒に見れて嬉しいなぁ」
その瞬間。
――チュ。