恋〜ウンメイ〜
私はまだお父さんに言ってないことがあった。
……海斗のこと。
ちゃんと言わないといけない。
「あのねお父さん。私、実は……海斗と…付き合ってるの…。」
お父さんはびっくりしていた。
当たり前だろう。だって自分の子供たちが付き合っているのだから。
「私…何も知らなくて。海斗も何も言ってくれなかったし…。」
お父さんは優しく頭を撫でてくれた。
「未歩は真実を聞いて海斗の事が嫌いになった?」
「ううん。むしろ好き。大好きなの。こんなに誰かを好きになったのは初めてなんだ。」
「そうか。確かにいいことではない。血の繋がった兄弟だしね。本当だったら別れさせる。でもな、別れるだなんて簡単なことなんだ。付き合うって言うのは運命なんだ。だから父さんは反対しない。確かに未来はないけどいけるところまで行ってみなさい。それまでお父さんは未来たちを応援するから。」
まさかこんな言葉が返ってくるなんて思ってなかった。
絶対に反対されるって思った。
「本当に…?」
「あぁ、本当だよ。今を大切にな。」
「…ありがとう。」
どれだけ言えばいいだろうか。
多分一生言っても足りない。
心から嬉しかった。
ありがとうお父さん。
頑張るよ…。