恋〜ウンメイ〜
「未歩…お母さんに会ってみるか?」
突然お父さんが言った。
会いたくないと言えば嘘になる。
本当の自分のお母さんに会いたい。
どんな人なのか会ってみたい。
でもお母さんに悪いと思った。
「秋江さんのことは気にしなくていい。確かに嫌だとは思うけど未歩はやっぱり美恵子に会うべきだと思うんだ。会わしてやりたいんだ。」
お父さんには私が思ってることがわかっちゃうんだね。
「…会いたい。…会ってみたい。」
お父さんは頷いて私の部屋から出た。
すぐに戻ってきて一枚の紙を渡された。
「そこが美恵子のいる場所だ。行ってきなさい。」
渡されたのは本当のお母さんがいる場所を示している地図だった。
「うん!行ってくる。ありがとうお父さん。」
私は勢いよく家を飛び出した。
向かう先は私のお母さんのところ。
ドキドキするけど今会わないと後悔すると思った。
私はその地図を握り締めてその場所に向かった。