恋〜ウンメイ〜
未歩side
リビングにはお母さんとお父さん。
お兄ちゃんはいなかった。
今はその方がよかった。
「お母さん、お父さんただいま!」
「…お帰りなさい…。」
「お帰り未歩。」
お父さんが私に近づいてきて
「母さんとちゃんと話しておいで。今の未歩の気持ちを。」
って小声で言った。
私は頷いてお母さんの前に座った。
「未歩…美恵子に会ってきたんでしょ?」
私は頷いた。
「ごめんね未歩。ずっと黙ってて。辛い想いさせて…。」
「いいよお母さん。
今まで辛かったのはお母さんでしょ。
大切な人を失って…。」
「未歩…。」
「お母さん幸せ?」
「今…とても幸せよ。未歩も大地も誠司さんもいるから。」
「そっか!ならよかった。」
「未歩は美恵子さんのところに戻りたい?」
お母さんの突然の問いかけ。
でも私の答えは決まってる。