恋〜ウンメイ〜









沈黙が続いた。


俺は何から話していいか分からなかった。



「お兄ちゃん…。」



未歩は俺の目を見た。

その目に迷いはなかった。


そしてわかった。






俺、振られるんだって。




「お兄ちゃん…あのね…「未歩。」えっ?」



「俺はまぢだった。本気で未歩が好きだった。

小さいときからいつもそばにいるお前が愛しかった。

誰にも渡したくなかった。

彼女をつくろうと思っても、俺の中で未歩の存在がどんどんでかくなっていた。
未歩じゃなきゃダメなんだって…。」


俺の素直な気持ち。
ずっと言えなかった気持ち。


「お兄ちゃん…ごめんなさい。お兄ちゃんの気持ちには答えられない。
真実を知っても私はやっぱり海斗が好きなの。

未来なんてないことくらいわかってる。
でも私も海斗じゃなきゃダメなんだ。」



未歩は俺に気持ちをぶつけてきた。








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