恋〜ウンメイ〜
「白石……海斗…って……」
「…………」
案の定俺は下を向いて黙ってしまった。
何も言えなかったんだ。
顔を上げると未歩の兄貴、大地さんは俺を睨んでた。
それもそのはず。
だって妹の本当の兄弟が今、目の前にいるのだから……。
睨んでいた大地さんが口を開いた。
「おい!お前ちょっと来い!」
予想はしていた。
それにそのほうが大地さんとも話しやすいしちょうどよかったかも。
「ちょっお兄ちゃんどうしたの?」
未歩は訳が分からないでいる。
そらゃそうだろう。
自分の兄貴がいきなり転校生を呼び出すんだもんな。
「未歩……お前ついてくんなよ」
大地さんはそれだけ言って先に行った。
俺もそのあとについて言った。