恋〜ウンメイ〜
「…お前どうして…」
その声は怒っているのかなんなのか小さかった。
「…お久しぶりです。大地さん。」
「あー、そうだな…。」
また沈黙が続いた。
「……未歩に言ったのか?」
いきなりだったからびっくりした。
大地さんの顔はどこか悲しそうにも見えたし、怒ってるようにも見えた。
「何も言ってないですよ。ってか言えませんよ。未歩もわかっていませんし…。」
「そっか。…なぜこっちに戻って来た!?」
「親の実家が元々こっちなんで!」
「どうだ?久しぶりに未歩を見て!」
「びっくりしましたね!」
「だよな!…アイツにはまだ話すなよ!」
「わかってますよ!……あのー大地さん。」
「なんだ?」
俺は今の自分の気持ちを正直に話した。
妹の未歩に恋をした。
しかも一目惚れだった。
恋をしてはいけない相手なのに。
大地さんは驚いていた。
当たり前だろう。
許されないのはわかっている。