恋〜ウンメイ〜
ご飯も食べ終わりお風呂に入った。
本当は夢なんじゃないかと思う。
嬉しすぎる。
一人顔を赤くする私。
まわりから見たらかなり痛い子。
まだドキドキしてる。
さっきまで会っていたのに、また会いたくなってきた。
早く明日にならないかなぁ。
お風呂から出てお兄ちゃんに知らせに行く。
「お兄ちゃん!次お風呂どうぞ!」
「あぁ…。」
やっぱり様子がおかしい。
「お兄ちゃん?さっきからどうしたの?」
いきなりお兄ちゃんが私の腕を掴んで部屋に入れた。
「えっ!お兄ちゃん…。」
「……っ……誰と付き合ってるんだよ!」
そう怒鳴ったお兄ちゃん。
なのにどこか悲しそうな顔をしているお兄ちゃん。
どことなく怖いお兄ちゃん。
「だっ誰だっていいでしょ!お兄ちゃんには関係ない!」
私はお兄ちゃんの手をどけて部屋から出ようとした。
「あの転校生はやめとけ!」
えっ……海斗のこと?
「なっなんで?」
「いっいや……なんでもねぇ…。じゃな!おやすみ。」
そう言ってドアを閉めた。
どういうことなのかさっぱりわからない。
なんで?なんで海斗はダメなの?
お兄ちゃん……。
一体どうしたの?
何が悲しいの?
どうして怒ってるの?
見たことのないお兄ちゃん。
どこか悲しい。
私は知らなかった。
不思議には思っていた。
でもまさか…そんなことが。
この時は何も知らない。
このあと起きること。
このあと知らされることを……。