恋〜ウンメイ〜
未歩が風呂から出てきて俺のところに知らせに来た。
俺の様子に気付いた未歩は心配そうな顔をして聞いてきた。
俺は未歩の腕を引っ張って部屋に入れた。
未歩は恐がってる。
でも今は聞きたいことがあった。
「誰と付き合ってるんだよ」
そう言うと未歩はキレながら「誰だっていいでしょ!お兄ちゃんには関係ない!」って。
バカ野郎。関係大ありなんだよ!
未歩が部屋から出ようとしたからつい叫んでしまった。
「あの転校生はやめとけ!」
未歩はびっくりして振り向いた。
「なっなんで?」
何言ってんだよ俺。
“なんで?”って言えるわけねぇじゃんか。
“アイツがお前の本当の兄だ!”なんて……。
俺はごまかして逃げるように未歩におやすみを言った。