恋〜ウンメイ〜









「…でねでね、彼ね…」

なんて喋りたい放題。

でもお母さんはちゃんと聞いてくれていた。


「未歩は今、幸せなのね?」


「うん!すごく幸せだよ!」


「うん、そうよね。だって未歩、前よりキレイになってきたもの。」


「えっ!ほんと?」


「えぇ。女の子は恋をすると自然とキレイになるものよ!」


「そうなんだ!じゃあ海斗のおかげだ!」


この私の一言で一瞬にしてお母さんの顔を曇らせた。


「……えっ!いっ今…なんて……?」


「えっ…『海斗のおかげだ!』って……」


パリーンッ


お母さんは持っていたお茶碗を床に落とした。


「おっお母さん!大丈夫!?」


私はびっくりして急いで割れたお茶碗の破片を拾った。








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