笑顔 -電車での出逢い-
『ん?』
携帯のメール画面から目を離し顔を上げ真正面を向く
「さっきからお前誰とメールしてんだよ?涼子先輩か?」
目の前の信吾が不思議そうに聞く。
『ちげぇよ…。お前が紹介してって言ってきた女の子だよ。』
「本当か!?なんで?なんてメールしたんだ!?っつうかメアド知ってたんだな!?俺のこと紹介してくれよ!?」
よほど興奮してるのか早口で口を動かす…。
っつうか、いっぺんに言うなよ…。
『まぁまぁ落ち着けって。実は明日この子と会うことになったんだ。』
なだめるようにそう言った。
「は!?マジかよ!?」
『あぁ。だから明日お前も連れて行って紹介しようと思ってよ。』
「本当か!?」
目をキラキラさせて尊敬の眼差しで見つめてくる…。
『あぁ。本当だ。』
気持ち悪いと思いながらも信吾の目をなるべく見ずにそう答える。
「駿、お前マジいい奴だな!!マジありがとう!!マジで感謝してる。」
『おう。待ち合わせ場所とか時間とか決めておくから。決まったら後でメールする。』
「了解♪」
すっかりご機嫌な様子の信吾を呆れ顔で見つめる俺とマコト
明日どうなるんだろうな?
ポツンと1人そう思った。