笑顔 -電車での出逢い-
器用に私を抱えたまま
ドアノブを回し
−バーン!−
思いっきりドアを開けた
私は黒邊くんの友達の行動全てに
呆気にとられて
痛いはずの足の痛みを忘れていた…
「おいおい…ノックぐれぇしろよ」
そう呆れ顔で言う一人の若い男の人
私は慌てて顔を手で覆い隠した。
だってこの男の人…
上半身裸だよ?
黒邊くんの友達が私を抱き抱えて連れて来た部屋には
上半身裸の若い金髪をした男の人が居たんだ。
ここは…?
「それどころじゃねぇんだよ」
黒邊くんの友達はそう言うと
「ちょっと座ってて」
と言って私を部屋の椅子に座らせた