笑顔 -電車での出逢い-
「れいな~!!」
息を切らした香菜実が
公園の入り口から
私の名前を呼びながら
こっちに来る…
『香菜実…』
「どうしたのよ?いきなり走り出して…電車着ちゃったのに…。」
『…。』
何も言わずに俯く私…
「もしかして…マフラーのこと?」
黙って頷く私…
「ごめん…私…無責任だったよね?ハッキリ手作りとか言っちゃって…」
申し訳なさそうに言う香菜実…
黙って首を横に振る私…
そして
『違うよ…香菜実のせいじゃない!!私が勝手に傷ついてるだけ!!分かってたのに…彼女がいることくらい…』
そう言って私は
空を見上げて空笑いした…
全然笑えてない…
そんな時
静かな公園に携帯の
着信音が鳴り響いた…