笑顔 -電車での出逢い-
「なぁなんで?教えろよ」
たけしっていう人に迫るたかしくん…
「別に」
そう言ってそっぽを向くたけしくん…
「わかった!!元カノ絡みだろ!?」
指をパチンと鳴らして言うたかしくん…
だけど
「ちげぇよ!!」
そう言ってたかしくんを睨む…
私からしてみればそんなことどうでもいい…
下の名前で呼ばれんのが嫌だろうと何だろうと…
私のアタマの中はずっと
電車の彼のことだけ…
気がかりなのはまず…
ウエイトレスのあの行動…
どう考えても不自然だった…
あの水のこぼしかた…
ワザとにしか見えなかった…
でも仮にワザとだとしたらなんで?どうして?
そんなことする必要が?
考え込んでる私に
「麗菜…行ってきなよ?」
隣の香菜実からコソッと声をかけられた…
『えっ!?』
隣の香菜実に顔を向ける
「電車の彼…来てるみたいじゃない?」
『香菜実…気づいてたの!?』
「うん…本当言うと最初から気づいてた…ココに入ってきた時から」
『そうなんだ…』
小声で会話をする私たち
あいにくたかしくんたちはまだ何か言い合っていて
気づいてないし聞こえてない…