笑顔 -電車での出逢い-
彼女とだったら…あの笑顔なんだよね。
あの幸せそうな可愛い笑顔…。
彼女しかあなたにあの笑顔させられないんだ…。
ダメだよ。
今はそんなこと考えてちゃ。
彼を今は助けなきゃ。
帰らしてあげないと…。
私は肩を叩いて声を掛ける度胸なんてないから
彼の制服の裾をギュッと握って引っ張った…。
当然振り向く彼…。
内心ドキッとした。
やっぱり驚いた顔してる
当たり前だよね。
顔も名前も何も知らない人から声かけられて
驚かないのはムリがある。
「ちょっと!!この女誰なの?」
彼の腕を組んでた女の子は腕を組むのをやめて
私と彼を交互に見ながら言う
女の子の質問に何も言わない彼…。
すると
「もしかして…黒邊君の彼女なの?」
そう彼に聞いていた…