笑顔 -電車での出逢い-
・第3話・
お礼 -麗菜 side-
「好きなの頼んでいいから」
そう言って私にメニュー表を渡そうとしてくれる
だけど
『本当にいいです!!』
メニュー表を受け取らずに手で軽く押し返しながら断る。
現在(イマ)私は
電車の彼くろべ君と
小さなファミレスに居る
向かい合わせなのが
なんとも窮屈で
すごくドキドキする。
そもそもなんで
くろべ君とこんな所に居るのかというと
今から数分前の出来事がキッカケになる。
トボトボ自分の家に1人帰ってた私に彼が
声を掛けてきたことから始まる。
「ねぇ!!」
肩をポンと軽く叩かれた私は
声のした方に顔を向ける。
するとなんと私の肩を叩いてきたのは彼だった。
声が聞こえたとき
まさかとは思ってたけど
本当に彼だったからびっくりした!
だって彼の方から私に声を掛けてくれるなんて…。