笑顔 -電車での出逢い-

だけどそんな浮き足立っていられるのも

ほんの2,3分くらいだった…

♪~

なんとなく聞き慣れた着信音

「あっ俺だ!!ごめんね!!じゃあまたね」

そう言った彼は嬉しそうな顔をしていて頬を少し赤らめていた…

その表情(カオ)には見覚えがあるよ?

そして私に背を向けると

「はい!!もしもし♪涼子~♪」

電話にでた…

やっぱり…

彼女からなんだ…。

その表情(カオ)は幸せそうな笑顔で

バカな私があなたに惚れたキッカケ。

だけど

好きだって自覚してからはその表情(カオ)を見る度に胸が痛みを覚える

私は走るわけでもなく

ただ…トボトボとむなしい気持ちを抱えながら家路へと足を進ませていた…

『着信音…ラブソングだし。』

ポツンと呟いた。

そう…さっき彼の携帯が着信を知らせる際に流れた音楽は

ラブソングだった…。

カップルにぴったりな歌詞がたくさん詰まったラブソング。

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