ひかり

校門が開いてることに気付き
猛スピードで走り抜けた。


後ろを振り返り
先生が来てないことを確かめ
とまった。


「はあっ、はあっ…」


最近、めちゃくちゃ息切れが激しい。

横を見ると、こうき先輩も
息が切れていた。



「大丈夫…? ごめんな、呼び出して」


「あ、大丈夫ですけど
 急にどーしたんですか?」


私が聞くと、こうき先輩は向こうを向いた。



「ひなたとサボリたくなった」


こうき先輩は
それだけつぶやいた。




「こーらぁあああああ!!!!!!」


後ろから声がして振り返ると
生徒指導の先生が
猛スピードで追いかけてきていた。



「うっわ...もー、いくぞっ!!」


こうき先輩は私の手を取って
全速力で走った。


「やっべ、追いつかれる!!」


こうき先輩は細い裏道をまがった。



うわっ...!!



こうき先輩…近っ!
いくらなんでも密着しすぎ!!

こうき先輩の鼓動が背中越しに
伝わってきた。



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