ひかり
その後、
授業も終わり、教室を出た。


結局、最後まで太陽は帰ってこなかった。


「ひなたー!」

後ろから声がした。
愛しい人の声だった。



笑顔で振り返ると
笑顔で走ってくるこうきが居た。


「こうきー!!!」

私も少し駆け足でこうきに近寄った。



「よかったぁー。帰っちゃうかと思ったし」

こうきは、笑いながら言った。


「…」


その後、ろうかの真ん中で沈黙が続いた。


こうきが何か言いたそうにしてるのに
気付いた私は、顔をのぞきこんだ。



「あ、えっと…その...」

「ん?」



「一緒に帰ろ…?」

こうきは顔を紅くしながらそう言った。


「うんっ!」

私は、笑いながら答えた。



こうきは、自分の髪の毛を触って
向こうを見ながら手を差し出した。

私は、こうきの手の上に自分の手を置いた。


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