空色 ~END OF AI~
拓馬はあたしがちゃんと乗ったのを確認すると、自転車をこぎはじめた。


少しずつ前に進んでいく。



ゆっくりと景色が流れていく。



なんだか車よりも、電車よりもいい乗り物に感じた。






「ねぇ、藍~」


「ん?」



風の音で消されないように、ちょっとだけおっきな声を出して言った。




「今日浴衣着てきたんだね~」


「うん!
似合うっしょ~」


「まぁまぁかな~」


「ムカ~!
ひどくな~い!?」


「あははは、ごめんごめん、ウソだよ~」


「まったく~」


あたしは少し怒り気味に言った。
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