Magical Moonlight
Cat

出会い

  ミャア …

   ミャア …


 ネコの鳴き声がする。

 今日は満月。外はとても明るいハズだ。

 私、柳瀬留奈は、中学3年生。と言っても、あと1ヶ月で卒業なんだけど。

 外が「明るいハズ」というのは、雨戸閉めているから。親が用心深い性格のため、夜になると雨戸を閉めるんだ。

 でも、今日は満月だし、晴れてるから、窓を開けなくても、外が明るいことくらいわかる。


え?私が何をしているのかって?

寝ようとしてたんだ。今、11時半。明日はテストだから、昼間眠くならないように、早めに寝るつもりだった。でも、眠れない。外の、ネコの鳴き声がうるさいから。

 放っておけば、いつかは鳴き止むと思った。そのうちに、私も眠りにつけると思った。でも、いつまでたってもネコは鳴き止まないし、私も眠気が覚めた。だんだん、ネコに対する怒りが込み上げて来たんだ。


  ガラガラ…


 私は、雨戸を開けて、叫んだ。

「うるさいから、静かにして!」

 ネコは、庭の砂利の上にチョコンと座っていた。…そのネコの姿を見て、一瞬ドキッとした。

 まだ子猫なのか、小さい体に、丸い瞳。茶色っぽい毛は、月の光が当たって、金色に輝いている。逆光になってよくわからないけど、胸の毛は、少しだけ赤いような気がする。

 そのネコは、私に向かって、手招きをするかのように前足を挙げた。

「もしかして、私に、来いって言ってるの?」

 ネコは頷いた…ような気がした。

 でも、あまりに遅い時間だから、さすがに玄関から出るわけにはいかないな。親に何て言われるかわからないし。

 急いで着替えた私は、玄関から靴を持ってきて、窓から外に出た。…部屋が1階でよかった。
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