Magical Moonlight

魔の声

そんなある満月の夜。

ご主人様が寝た後、あたしは窓の外を見ていた。


満月―

あの光を浴びれば、人間になることができる。

あの女よりも、美しい女性に。

そうすれば、きっと彼もあたしに振り向いてくれるだろう、そう思った。


光の中から、声が聴こえた。
『そんなに彼といたいのなら、
 いい方法がある。
 憎い彼女を、
 その手で殺しなさい。
 そうすれば、あなたは
 人間として生きられる。
 彼とずっと
 一緒にいられるようになる』


本当に、…本当に、そんなことができるの?

あたしは決心した。満月の光の中で、あの女を殺そう、と。


あたしの体は光に包まれ、気付くとあたしは人間に変身していた。

この間と同じように、ご主人様の服を取り出して、着る。

台所に言って、まだ使ってない包丁の中から、一番刃渡りの長いものを取り出す。

これで、準備が出来た。あとは、彼女が来るのを待つだけだ。
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