薔薇乙女〜Rozen Maiden〜

歩み寄ってきた人形…荊に思わず後退る。頬を思いっきり引っ張っていた。痛い。目の前の動く人形は幻では無く現実なのだと思い知らされた瞬間だ、荊が指差したのは薔薇の指輪。あの鎖が変化したものだ。

「それを右手薬指に嵌めて頂戴」

「嫌、嫌よ!」

「あら…何で?」

不思議気に首を傾げる荊は指輪を拾い上げた。そっと薔薇を撫でる。まるで慈しむかの様に。

「別に呪いの指輪とかでは無いわ。これは契約の証だから」

「けい、やく…?」
< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop