もう1人のわたし
『もう助からないね・・・くすくす・・』

何!?わたしの頭の中に誰かの声が響いてくる。

「ねえっ、誰なの!?」

『僕は君自身だよ。君の中の、憎悪のかたまりさ』

憎悪・・・?

「あなたが・・・秀ちゃんを刺したの・・・?」

『そうだよ。でも言ったでしょ?僕は君自身だって。君が殺意を抱いている相手を殺しただけだよ』

「さっ、殺意なんて・・・わたしが秀ちゃんに・・・?そんなことあるはずないでしょう!?」

『ふん、嘘ついても僕には分かるんだよ。君は両親に溺愛されている弟を羨んでいた。自分が愛されてないから・・・』

「やめてよ!」

『クラスメートも殺したんだよ。僕はやりたくなかったけど、君の殺意には勝てなかった』


「う、嘘・・・・」

わたしは生まれて初めてこんな大きな絶望感を味わった。

『今頃学校はすごい騒ぎになってるんじゃないかなぁ?』

男は、楽しそうに笑った。

『あ、家から出ない方がいいよ。そのうち警察が来ると思うから大人しく待ってようね』

「警察・・・?何で?」

『何でって・・・。クラスメート全員死んでるのに、君だけ学校にいないなんておかしいからねぇ・・・』

わたしは愕然とした。
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