幸せは蜜の味
◆
日曜日
日曜日。
春特有の眠気に勝てず、私はなかなかベッドから出られなかった。
学校でも居眠りしちゃうのに、布団に包まってたら閉じた目が開けられない。
どうせ休みだし、もう少し寝ちゃおうかな…。
そう思って頭まですっぽり布団の中に潜り込んだ途端、庭で何かが割れる音がした。
「…何…?」
まさか、こんな明るい中に泥棒でもないだろうけど…。
私は気になって体を起こすと、カーテンを少し開けて庭を見下ろした。
そこには、バットを手にしゃがみこんだ弟の鉄平がいた。
…どうせ、素振りしてて鉢植え倒しちゃったんだろうな。
ビックリさせないでよ、もう…。
ちょっとドキドキしたせいで、もう眠気はなくなっていた。
ぐっと伸びをしてから窓の外を改めて見ると、近所の公園がピンク色だった。
「そっか、桜…」
平日の朝は学校に行くのにバタバタしてるし、帰りは遅いから、桜があんなに咲いてるのに気付かなかった。
ちょっと見に行こうかな…。
ついでに近くのコンビニに寄ってこよう。
着替えた私は、1階に下りた。
リビングに入って庭を見ると、お母さんに叱られてる鉄平がいた。
鉄平はまだ小学生。
私とは年が10歳も離れてるせいか、ケンカは滅多にしない。
鉄平が私に気付いて(助けて)って目でこっちを見てくるけど、自業自得なんだから大人しく怒られてなさい。
「お母さん。私、ちょっと出掛けてくるね。お昼までには帰るから」
お母さんに声を掛けると、お説教が止まって「いってらっしゃい」って返ってきた。
時計を見ると10時過ぎ。
ちょっとお花見して買い物するくらいなら、12時までには帰ってこられるよね。
再び始まったお説教を背中に聞きながら、私は家を出た。
春特有の眠気に勝てず、私はなかなかベッドから出られなかった。
学校でも居眠りしちゃうのに、布団に包まってたら閉じた目が開けられない。
どうせ休みだし、もう少し寝ちゃおうかな…。
そう思って頭まですっぽり布団の中に潜り込んだ途端、庭で何かが割れる音がした。
「…何…?」
まさか、こんな明るい中に泥棒でもないだろうけど…。
私は気になって体を起こすと、カーテンを少し開けて庭を見下ろした。
そこには、バットを手にしゃがみこんだ弟の鉄平がいた。
…どうせ、素振りしてて鉢植え倒しちゃったんだろうな。
ビックリさせないでよ、もう…。
ちょっとドキドキしたせいで、もう眠気はなくなっていた。
ぐっと伸びをしてから窓の外を改めて見ると、近所の公園がピンク色だった。
「そっか、桜…」
平日の朝は学校に行くのにバタバタしてるし、帰りは遅いから、桜があんなに咲いてるのに気付かなかった。
ちょっと見に行こうかな…。
ついでに近くのコンビニに寄ってこよう。
着替えた私は、1階に下りた。
リビングに入って庭を見ると、お母さんに叱られてる鉄平がいた。
鉄平はまだ小学生。
私とは年が10歳も離れてるせいか、ケンカは滅多にしない。
鉄平が私に気付いて(助けて)って目でこっちを見てくるけど、自業自得なんだから大人しく怒られてなさい。
「お母さん。私、ちょっと出掛けてくるね。お昼までには帰るから」
お母さんに声を掛けると、お説教が止まって「いってらっしゃい」って返ってきた。
時計を見ると10時過ぎ。
ちょっとお花見して買い物するくらいなら、12時までには帰ってこられるよね。
再び始まったお説教を背中に聞きながら、私は家を出た。