\how to love/
第1話 図書室
どうしても、分からないことが、ある。
どんな辞書を探しても、どんな有名な学者の書物を読んでも。
分からないことなんてないって思っていた。
「……すごい、また早川さん1位?」
学年1位と言えば、その学年で最も賢い人のこと。
その人を多くは"ガリ勉"などと称したのは少し前のこと。
最近の学年1位と言えば、可愛いだの、カッコイイだの、スポーツも出来るだの、色々なオプションがついている。
しかし、このお話の主人公は一昔前の、"ガリ勉"と呼ばれたタイプである。
名前は、早川愛(はやかわ あい)。高校2年生。
いまどきの三つ編みにメガネ…はないようだ。
スカートは膝当たり、化粧なんて断固拒否。
(って言ってもやり方が分かってないだけ)
そんな彼女は、…一体どんな物語を繰り広げてくれるのでしょうか?
「早川さん!悪いけど、ノート貸してくれない?」
定番といっちゃ定番の”宿題忘れのノート貸し”
特に断る理由もない彼女は、あっさりと貸してしまう。
字はキレイで見やすく、なんとも分かりやすいノートであろうか…。
…っと、説明はほどほどにして、そろそろ物語を始めたいものである。
始まりは、突然…なんて言うものはお決まりで、そう。
ラブストーリーの幕開けは何とも単純なものだった。